ワンちゃん・ネコちゃんの皮膚疾患は発生頻度の多い病気です。また、普段のケアしだいであまり薬を使わなくてもうまく付き合っていけるものもあります。最近は情報があふれているので、インターネットでの評判や口コミをもとに不適切な食事やスキンケアを行った結果、かえって皮膚のコンディションが悪くなっている患者さんもいます。どの方法がよいのかは、ワンちゃん・ネコちゃん1頭1頭で異なります。当院では皮膚の状態を診て最適なスキンケアの方法を提案していきます。
ワンちゃん・ネコちゃんの皮膚疾患は発生頻度の多い病気です。また、普段のケアしだいであまり薬を使わなくてもうまく付き合っていけるものもあります。最近は情報があふれているので、インターネットでの評判や口コミをもとに不適切な食事やスキンケアを行った結果、かえって皮膚のコンディションが悪くなっている患者さんもいます。どの方法がよいのかは、ワンちゃん・ネコちゃん1頭1頭で異なります。当院では皮膚の状態を診て最適なスキンケアの方法を提案していきます。
皮膚科の診療は初診時には時間がかかることが多いので、時間に余裕をもって御来院ください。現在治療中の場合は、かかりつけの先生と相談の上で御来院ください。その際、担当の先生から電話をいただくか、治療経過が分かる物を持ってきていただければスムーズに診察できます。また、現在服用中の薬・使用中のシャンプー・食事の内容が分かるものを診察の際にお持ちください。
より良い診療を提供できるようご協力をよろしくお願いいたします。
飼主さんが気付いて受診される症状は「かゆい」、「皮膚が赤い」、「皮膚が黒くなった」、「ぶつぶつができた」、「カサカサしたフケ」、「ベトベト、ネトネトのフケ」、「毛が抜ける」、「円形の脱毛がある」、「皮膚にしこりができた」などが多いです。特に多いのは「かゆみ」と「脱毛」です。
かゆい皮膚病にはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー(食物過敏症)、ノミアレルギー、疥癬(ヒゼンダニ)、ニキビダニ、マラセチア皮膚炎、膿皮症などが代表的です。下に書いてある皮膚検査で診断を確定します。
毛が抜けてしまう症状は、かゆみがあるとよく見られます。したがって、上で書いたアトピー性皮膚炎などのかゆい皮膚病は全て原因としてあり
得ます。それだけでなくホルモンの影響で毛が抜ける場合もあります。甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、
性ホルモンによる脱毛、AlopeciaXなどです。また、毛の異常による脱毛もときどき見かけます。
これらの病気も順序立てて検査を行えば診断できます。検査については下記のものを組み合わせて行います。
アレルギーの検査として使われることが多い検査です。
そもそもこのIgEとは何でしょう?
簡単に言えば、IgEは体にとって邪魔な異物を攻撃するための武器です。
免疫によって異物かどうかを判断し、そう判断されたらリンパ球がIgEを産生します。
もともとは寄生虫を退治する時などに作られていた物です。
しかし免疫系に異常が起きたため、IgEが体にとってそんなに邪魔でもない物(花粉、ダニ、食物など)に対して異常に大量生産されるようになると、結果として炎症が起きてしまいます。それがアレルギー反応のタイプのひとつです。この検査では、様々な花粉やダニに対してどれくらいIgEが作られているかを測定し、基準値以上であれば症状と関係しているかもしれないと考えます。
まずは信頼できる検査会社を選ぶことが大事です。さらに、この結果の解釈が慣れてないと難しいので、それについては実際の診察の上でお話しするようにしています。
また、検査会社によっても結果の解釈の仕方が大きく異なりますので、注意が必要です。
この検査では、アレルギーの原因物質をそれぞれ少しずつ皮の厚みの中に注射します。
もしその物質に対してアレルギー体質でしたら注射した部位が蚊に刺された後のように赤くプクッと膨れます。
血液の検査と違う点は、本人の体でアレルギー反応が起きていることを目で見て分かる形で証明できる点が大きいです。
おとなしい場合は大丈夫ですが、基本的には鎮静をかける必要があります。
普通は毛刈りが必要ですが、当院ではできるだけ毛が無い腹部などで検査するようにします。
ではどのような時に皮内反応を行うのでしょうか?
一番の目的は減感作治療を行う際にどの抗原液が適しているか選ぶためです。
また、アトピー性皮膚炎の診断補助としても使われています。
血液中でアレルギー反応の時に活性化されているリンパ球の割合を測って数値化している検査です。この数値が高いと何らかのアレルギー反応が起きている可能性が高いのではと推測できます。ただし、他の病気でも活性化することはあるので、この検査だけでアレルギーと断定できません。また、アレルギーでも2割の患者さんでは低く出てしまいます。あくまで診断の補助として利用します。
食物アレルギー用の検査です。人とは違って、食物アレルギーのイヌでは上記の血清IgE抗体が高値になることが少なく、診断の感度としては不十分です。食物アレルギーのイヌの70%では血液中に原因食物に反応するリンパ球が流れていることが分かっています。このリンパ球を食物と一緒に培養し、リンパ球がどの程度リンパ球が増えたかを測ります。ただし、この検査は実施のタイミングと結果の解釈にコツがいりますので、ご希望の方はご相談ください。
まず、診断の上で大事な点は「そのフードを食べなかったら治って、食べたら症状が出ること」を実際に確認する点です。これが観察されたらその食べ物が原因であろう事は納得できるでしょう。検査の方法はシンプルで以下の約束を守ってもらうだけです。
転院してくる方に多いのですが、飼主さんの自己判断やあまり信頼性が無い検査をもとにこの検査を行ったつもりになっている場合が多いです。
中途半端な検査でははっきり言って意味がないです。また、誤った情報で宣伝をしているフードの会社もあり、それに騙されて症状が悪化するケースもよく診ます。
当院ではスムーズに正しく検査できるよう説明しますのでご安心ください。
「減感作療法」とは聞き慣れない治療法かもしれません。「アレルゲン特異的免疫療法」と呼ばれる事もあります。簡単に説明すると、アレルギーの原因物質に体を慣らしてアレルギーを克服する治療です。
原因物質をごく微量から体内に入れていくと、免疫が少しずつその原因物質に慣れていきます。ヒトの花粉症の治療で大きな成果が出ています。また欧米でのイヌのアトピー性皮膚炎の治療では第一選択で、スタンダードな治療です。
つい最近までは海外から抗原液を個人輸入する必要があったため、敷居の高い治療でした。幸い現在では日本でも減感作用の動物薬が認可されて治療に取りいれやすくなりました。ただし、マニュアルどおりの治療では上手くいかないこともあるため経験により微調整が必要になります。そのため積極的に取り入れていない動物病院が多いのも確かです。
減感作療法が適応になるのはどのような患者さんでしょうか?私は次のように考えています。
オアシス動物病院では2種類の減感作療法を行なっています。国内で認可された動物薬による減感作療法と輸入薬を用いた舌下減感作療法です。どちらの方法でも奏功率は60%ほどと報告されています。
実際にアトピー性皮膚炎で悩んでおり減感作療法を検討したい方は遠慮なくご相談ください。