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No. 耳掃除の必要性

とある昼休み・・・健診のワンちゃんの耳チェックをしている石田・赤司・看護師Aの会話です。

赤司:そういえば最近うちの子供を小児科に連れて行ったんですよ。その時に耳掃除の事を

先生に聞いたところ、「必要ないです。」とのことでした。

石田:最近は人の方でも耳掃除は基本的に必要ないって言われてるよね。あれ、なんでか知

ってる?

赤司:はい。聞いてみました。理由としては以下のように耳掃除が逆に正常な耳に悪影響を

及ぼす可能性があるからです。

①綿棒で刺激しすぎることで耳道の炎症を引き起こす

②耳垢を奥に押しやってしまう。

③鼓膜までの距離は短い(3cmくらい)ので綿棒で思わぬ事故に繋がりかねない

石田:まさにその通り。犬や猫でも同じ理由で、健康な場合は耳掃除は必要ないんだよね。

赤司:耳掃除が不要であるという説を語る上で重要な耳の働きの一つに「自浄作用」という

のがあって、耳垢は正常な耳であれば上皮移動によってベルトコンベアーのように何

もしなくても出口まで勝手に運ばれてくるってやつですね。さらに人はやりません

が、動物は首を自ら振って耳をパタパタってやるあの行動って案外遠心力が強いので

軽い耳の汚れなら出口まで出てきます。

動物看護師A:えっ先生、じゃあどんな時に耳掃除はするべきなんですか・・・?

うちの患者さんたちは割とみんな掃除してますよね?

赤司:うちは皮膚や耳のトラブルを抱えていらっしゃる患者さんが多いからね。

掃除をしないといけない耳。それは我々が治療をしないといけないような状態になっ

ている耳、すなわち「外耳炎や中耳炎を起こしている耳」です!!

また、外耳炎を起こす原因を持っている場合(耳垢の量が多い、耳の中に毛が大量に

生えている、入り込む、犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、脂漏症など)もいつ

悪化するか分かりませんし定期的に耳を洗浄することを勧めます。

石田:こんな感じで耳が真っ赤に腫れていたり、明らかに異常な臭気を伴っていたり、大量

に耳垢が出ている場合などは原因を探り治療を考慮しつつ、一度洗ってあげないとい

けませんね。

赤司:自分のことにはなりますが耳掃除って案外好きなんで耳掃除全くしないってのもちょ

っとね・・・と思いますけどね笑

石田:飼い主さんでもどうしても耳掃除しないと気持ち悪いって人もたまにいるよね。そう

いう場合どう説明してる?

赤司:極力綿棒は危ないので使わず、耳のしわに沿って湿らせたコットンなどで優しく拭き

取る程度のケアを勧めてます。乾いたコットンやティッシュでもゴシゴシやると皮膚

表面を削ってしまうため、なるべく湿らせて柔らかくして使ってもらう方が良いです

よね。

石田:そうだね、耳の洗い方は基本的に耳用洗浄液などの液体で浮かせて落とす。それが一

番優しいし、理想的です。どうしても物理的に除去したくなるし綿棒も使いたくな

るとは思うけど、そこまでしないと取れない場合は我々プロにお任せいただくことを

お勧めします。と自分はこんな感じで話しているよ。

赤司:明日から僕もそうします!目指せ耳掃除のプロ!!

動物看護師A:え?先生プロだったんじゃないんですか?先生たち毎日毎日ワンちゃんの耳ば

っかり洗ってるじゃないですか。先生たちが耳洗ったら汚れがごっそり出て

くるんで診察室の掃除が大変なんですよぉ。

赤司:・・・。いつも掃除ありがとうございます!!

石田:綺麗な診察室で飼い主さんをお呼びできるのはいつも掃除してくれてるスタッフのお

かげだね。いつもありがとう。細菌性外耳炎の時もあるし、衛生的な面を考えてもな

るべく耳垢が飛び散ったりしないように耳洗浄しないとですね。我々はまだまだ技術

の進歩の余地がありそうで、頑張れそうだね。

赤司:はい!!まだまだ動物の医療のレベルは上げられると思います!燃えてきました

よ!!🔥

そしてこの後インフルエンザで寝込んでしまう赤司でした。

インフルエンザやコロナウイルスが猛威を振るっております。皆様もマスク、うがい、手洗い

の励行を心がけ、健やかにお過ごしくださいませ。

 

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